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電気・電子コーストピックス : 研究室紹介―有機エレクトロニクスで未来を拓く―有機分子エレクトロニクス研究室(指導教員:加藤 ひとし)
投稿者 : eei_admin 投稿日時: 2015-12-19 08 (1352 ヒット)

 

 

   有機物質に電気が流れる、導電性高分子が世の中に紹介されてから、何年か経過したいま、有機物質を使った高機能なエレクトロニクス製品が、数多く開発され実用化に至っています。たとえば高詳細な画質の有機ELディスプレイが普及し、4kカメラなどで撮影された、高画質映像データを大変高品質な画像を手軽に楽しむことが出来るようになりました。最初に登場した有機ELディスプレイは大変高価なものでしたが、普及するにしたがってより高性能になり、価格は逆に低価格になってきています。かつてブラウン管を使ったパソコンディスプレイにとって代わるべく、液晶ディスプレイが開発されました。発売された当初それは高価なものでしたが、その後の普及とともに高性能化と低価格化が進み、現在は液晶技術の限界を超える新たな技術、つまり有機ELなどに代表される新技術を用いた、より高性能なディスプレイにとってかわられようとしているのです。

 

Fig1.  様々な表情を見せる金属表面のナノ構造。

プローブ顕微鏡(DFM)による観察

 

   一方で様々なエレクトロニクス製品には、従来の半導体技術を駆使した多種多様な部品が多く使われていて、解決しなければならない問題もたくさん残されています。エコで環境にやさしく、コストパフォーマンスの高い、次世代のエレクトロニクスを支えるためには、従来の手法を覆すような新しいアイディア、より簡便でより安価な手法の開発、そしてより安全なエレクトロニクスデバイスの開発が期待されています。

 

   華々しいエレクトロニクス製品の高性能化を支えるテクノロジーのひとつに、電子デバイスのダウンサイジングがあります。集積回路に始まる半導体電子部品の発展には、微細化のテクノロジーが欠かせないのですが、従来の手法では、性能の面だけでなくコストの面からみても、限界を迎えつつあるといえます。

 

Fig2. ナノワイヤーの創製。電子顕微鏡による導電性高分子材料の観察。

ナノワイヤーを意図したとおりに展開できるかが課題

 

   最先端の研究分野では、部品を導線で接続して回路を構成する従来の手法の殻を打ち破る新しい発想によるエレクトロニクス技術が提唱され、その発展が期待されています。その中のひとつに有機分子の様々な利用方法があり、現在様々な研究がなされています。

 

Fig3. あてる光の波長で表情を変える機能性分子。

蛍光顕微鏡による観察

 

   有機物質の特徴は、様々な機能を付与することが出来ることで、本研究室ではそれをミクロな世界の技術であるナノテクノロジーと結び付け、次世代の高機能な電子デバイスを創製する研究を行っています。

 

  • 導電性高分子中へナノスケールでの有機分子色素を注入し、光機能をもつセンサー素子を開発
  • サッカーボールの構造をしたフラーレン分子、ナノの大きさを持つチューブ状の炭素物質カーボンナノチューブと導電性高分子との複合化
  • 金属表面にナノスケールの構造パターンを人工的に作製、高機能分子と組み合わせて、新しい機能をもつ電子・光デバイスの作製

 

   これらは、古いテクノロジーの枠にとらわれない、柔軟で新しい発想を必要としています。有機エレクトロニクスとナノテクノロジーで、未来のテクノロジーを創りませんか。

 

 

Fig4. いろいろな機能性材料と表面構造の組み合わせ。

同種類の物質でも多彩な表情を見せる。光デバイスとしての可能性は無限


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